当社にも多くの方からお問い合わせをいただいているものの、土間のある物件自体が非常に少なく、なかなかご提案できずにいます。
土間は何といっても、土足で出入りでき、重量のあるものも出し入れでき、汚れに対しても比較的気兼ねなく作業ができるなど、作家さんにとってはメリットが多いのです。
空き屋だった戸建てをリフォームして貸し出すに当たり、オーナーさんから相談を受けまして、土間の重要さを懇々と説明しましたところ、なんとご同意いただいた物件があり、完成した物件を見せていただきました。
室内なのでエアコン付けてくれました。
200Vコンセントも設置!
搬出入が大事なのでスライドドアに!
DKと行き来できます。
ちなみにこんな感じから変化しました。
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元々は居間(和室)だったのですが、オーナーさんも普通に洋室に改装するので良いのか相当悩んでいました。
というのも、決して立地の良い物件ではなく、昭和的な仕切りの多い一戸建てだったこともあり、普通のリフォームでは入居してくれる人がいないのでは・・・という不安を抱えていたそうです。
思い切ったリフォームが必要なことは理解しつつも、1室をつぶして土間部屋にすることにニーズがあるのかどうか・・・。
担当した大工さんも相当びっくりされていたそうですが、個人的には作業場兼住居を探している方は非常に多いことを実感していたので自信はあったのですが、完成した土間部屋を見せていただいた時はそれが確信に変わりました。
これは・・・いい!
電気窯を設置するであろう陶芸、ガラスを扱う方、服飾やレザークラフトなどをされる方はミシンや革漉き機を設置できます。
オーナーさんのご厚意で200V電源用コンセント、スライドドア、土間外の簡易シンクの設置などなど、正しく小規模アトリエ・工房として存分に利用してもらえる仕様になりました。
土間部屋を出たところはコンクリート敷に。こちらも多目的に使用可能!
写真をたくさん撮影させてもらい、募集用図面を作成して入居募集に向けた準備を始めていたところ、陶芸家の方から西多摩方面でのアトリエ兼住居探しのご依頼を受けていたため、ぜひ一度ご覧いただきたいとプッシュさせていただきました。
オーナーさんから鍵をお預かりして2日、なんと早々にご入居を決めていただきました。
土間部屋自体は6帖弱ではありますが、土間部屋を出たところのコンクリスペースも使えたことが非常に大きかったようです。
リフォームの規模も大変なものだったので、早々に入居の目星がたったので、オーナーさんも一安心のようでした。
都心部の広いエリアで相続対策としてのマンション・アパートの建設が増え、普通に暮らすための部屋はたくさん供給されているのですが、不動産オーナー側の視点から考えると、競合が増えた今こそ、利用者の多様性に目を向けて、生活や趣味面などの特殊性・希少性を打ち出すことはとても大切なのだと思います。
と、まとめさせていただき、今後土間付きの物件が増えれば、私もたくさんの方にご紹介できて良いのにな・・・と思った次第です。